今回は、東京大学の敷地内にある三角点。
三等三角点「大学」がある東京大学
三等三角点は、東京大学の総合図書館の屋上にある。
航空写真で見ると、下のとおり。
不忍池や東京ドームもすぐ近くにある。
東京大学の総合図書館の窓口に行く、三角点巡りをしていることを伝えた。
窓口の方は、「はい、三角点ですね」と三角点を知っていた。
これまで、敷地内へ入る許可や写真撮影の許しを乞う時、「三角点?何ですか?」と逆に聞かれることもあった。
あるいは、三角点は知っていても、「えっ!敷地の中にあるの?」と言われることもあった。
さすがというか、伝統ある学府だけある。
「担当に見ることが出来るか確認してきます」とのこと。
安全面から、屋上にある場合は、不可がほとんどであるが親切に対応して頂けた。
結果やはり安全上から不可であった。
無理なお願いに対応いただき、ありがとうございました。
場所は、このあたりである。
三等三角点の名称は、「大学」である。
東京大学は、京都帝国大学が創設されるまで、日本で唯一の大学であった。
まさしく、最高学府であった。
三角点「大学」の標高は、52.97mである。
大学の敷地も22m程度の高台にある。
赤門ではなく、正門から入り、銀杏並木を抜けて左に曲がる。
ここも並木道である。両側には、素敵な建物が並んでいる。
三角点がある、総合図書館が現れた。
この建物もまた、外壁が凝って造られた素敵な建物である。
先程の並木道の脇にある建物。
これも魅力的な建物である。
入り口も凝った造りである。
台地上にある東京大学
高台にあることが体感出来る。
新坂という急坂もあり、その傾斜の凄さがわかる。
水道橋駅は、高架となっているが御茶ノ水駅はグランドレベルより低い位置にホームがある。
御茶ノ水駅のホームから聖橋方面。丸の内線が通る。
開削も浅くなっているのがわかる。
水道橋駅の交差点(白山通り)から、飯田橋駅方面を見た神田川。
写真でもわかる通り、神田川は、水道橋駅あたりではグランドレベルとの差は少ない。
御茶ノ水駅駅のあたりの神田川では、深く開削されたことが一目瞭然である。
傾斜の程度
どの程度の高台になっているか、断面の傾斜を調べてみた。
東京大学から御茶ノ水駅そして東京駅までの断面図である。
高低をデフォルメしているが、本郷台地の様子が手に取るようにわかる。
ちなみに、「水道橋」の名前の由来は、
上水を江戸の町に通すために、水道のかけ樋が神田川にあったことに由来する。
台地を削って出来た神田川
このあたりの高低差がわかる地図が下図である。
国土地理院のデジタル標高地図である。
本郷台地の様子が明確にわかる。
本郷台地だけでなく、上野から赤羽の方に続く台地も手に取るようにわかる。
途中、神田川が異様である。
神田川は、江戸時代の始めに台地を開削して造られた、人口の川である。
時代ごとの川の様子を絵にしてみた。
江戸時代以前の川の様子である。
日比谷あたりまで入江があり、そこに小石川などが流れこんでいる。
徳川家康の江戸入府の頃を絵にしてみた。
外堀など造られる前である。
本郷台地の土を利用して日比谷が干拓される。
そして、江戸時代初頭に外堀などの整備にあわせて、神田川が開削された。
仙台の伊達家が担当したことから、仙台堀と呼ばれている。
江戸の町に水害が及ばないように、平川、小石川を神田川として、東に流れを変えた。
先日の台風の影響で各地で水害が発生した。
先人が苦難の末に完成させた荒川放水路。
環七の下にある調節池。
いつの時代も人間は、自然の脅威と戦っている。
三等三角点「大学」
文京区本郷7丁目 東京大学 総合図書館屋上
訪問日:2019年9月30日(月)
このWebページで使用している地図は、国土地理院の地理空間情報ライブラリーからの地理院地図を加工したものであ。なお、以下の承認も受けている。
この地図は国土地理院長の承認を得て、同院発行の地理院タイル(数値地図2500(土地条件))、地理院タイル(数値地図5000(土地利用))及び地理院タイル(土地利用図)を複製したものである。(承認番号 令元情複、第197号)
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