前2回では、家に商品が溢れる中で新たに商品を買おうと思うのは、その商品に「共感」を覚えたからであると書きました。
そして、「共感」は「憩い」と「ときめき」から形成されるのではないかと。
私は、「憩い」と「ときめき」と言う表現をする前は、ニーズ(needs)という用語を使ってました。
ニーズとは、欲求や需要という意味ですかね。
マーケティングでよく使われる用語です。
よくある例として、「ニーズに応える企業になる」など企業理念でうたっているところもあります。
お腹すいたというニーズがあって、レストランに行って料理を注文する(ウォンツ)という行動は分かりやいですね。

でも、そこに満足してもう一度、そのレストランを使うでしょうか。
わかりませんよね。

「ここなら、また来たい」と思う店もありますよね。それって何?
ニーズも一般的に、「顕在ニーズ」と「潜在ニーズ」があると言われています。
顕在ニーズとは、消費者が明確に意思を持って求めているモノです。
潜在ニーズとは、消費者自身、そのようなモノを欲していることを意識していない状態で、あるモノを見て、知って、「こんなのが欲しかったんだ」というようなものです。
また、よく言われるのが、ある商品が欲しいのではなく、やりたいことが出来るための商品を消費者は求めているということです。
具体的な事例として、これもよく使われますが、「顧客が欲しいのはドリルではなく、穴である」という話しです。
自転車を買いたいのでは無く、乗って、風を感じたり、汗をかいて心地良い疲れを感じる。
そういうことをしたいために自転車を買うんです。
ここではややこしくなるので、ニーズとウォンツ(wants)の話しはやめときますね。

ある商品があることにより、便利になるとか、楽になるとか、時間の節約になり新しい生活ができるようになるとか、そういうのがないと商品を買おうとは思わないということです。
別に「顕在ニーズ」でも「潜在ニーズ」でもいいのですが、それだけなのでしょうか。
確かにニーズに応える商品だとしても、形、作られる過程、作り手の思いなどに対して納得しないと、今、消費者は購入しないと思うのです。
例えば、帽子が欲しいという人がいるとします。
どんな帽子でもいいのでしょうか?
違いますよね。
自由が丘に、tri-be/トライビーというお店があります。
そこは、東南アジアやアフリカの少数民族が伝統的な手法で作っている手織り布を直接現地に行って仕入れてきます。
藍染めや草木染めの布はすごく味わい深いです。
それを使って帽子などの服飾雑貨を作り、売っています。
現地の人から安く買い叩いているのでは無く、フェアトレードを実践しているのです。
でもそれをオーナーに言うと、「結果フェアトレードかも知れないけど、その布などの価値に見合った対価を払っているだけですよ」、と。
そして、「アジアの色んな民族の素材を組み合わせて、いわゆるJAMすると素晴らしいモノが出来上がるんですよ」と。

帽子が欲しいと思った人は、家に帽子がないのでしょうか。
いえ、何個かありますよね。
でも、この店で売っている帽子に共感を覚えるのです。
だから買うのです。
マーケティングの中で、「顕在ニーズ」や「潜在ニーズ」とか言っても、結局、ニーズはあっても商品が家に溢れているなかにおいて、購入という行動を何が起こさせるのか?
そうやって考えていった結果として、「共感」であり、「共感」は「憩い」と「ときめき」から形成されるという結論に至ったのです。
といいことで今回はここまで。
今回も最後までお付き合い頂きありがとうございました。
2020年12月4日