イトーヨーカドーの閉店のニュースについて

今日は私の本業に関する話です。

 

セブン& アイが経営するイトーヨーカドーの閉店のニュースがテレビ・新聞で報じられています。北海道・東北エリアの全17店舗を順次閉店するとのこと。昨日は、津田沼店の閉店の報道がありました。平成の最初の頃はイトーヨーカドー全店の中でトップだけでなく、全国のGMS(総合スーパー)でトップの売上を争う店舗でした。当時、年間売上が100億円を超えていたのを覚えてます。

インターネット上では、色々な意見や感想が書かれていますね。商品についてだったり、懐かしいなどの思い出話だったり。

 

そもそも、

GMS(総合スーパー)とはどういう店舗・施設なのでしょうか?

1970年代に入るとGMS(gGeneral merchandise store、総合スーパー)が全国各地に多店舗展開をはじめます。GMSの特徴としては、料品だけでなく、衣料品、電化製品や家具、スポーツ用品などあらゆる分野の商品を扱っているということです。
規模が大きくて、1層の建物ではなく、3階建て以上の階層の建物となっていることが多いです。GMSの顧客は広域からの集客となっていて、駐車場も多いところでは1,000台を超える大規模ものとなっています。

百貨店、いわゆるデパートという形もあります。伊勢丹とか高島屋ですね。
百貨店は、戦後「おしゃれでハイカラ」な商品を揃えて、団塊の世代の支持を得てきました。

GMS(総合スーパー)は「良い商品をどんどん安く」(ダイエーの中内㓛)を追求し、それを実現できる商品調達及び商品構成並びに建物、運営方法をつくり車を保有する核家族の支持を得てきました。

その後、家電量販店やユニクロなどのファストファッションが生まれ、GMSで衣料や家電を買わなくなり、日用雑貨などもドラッグストアや100均を利用するようになりました。

何より、モノが家に溢れる現在「良い商品をどんどん安く」という時代ではないのですよね。

お客様は、低価格で高品質、かつ品揃えも豊富な専門大店に行ってしまいました。

衣料品はユニクロなど、家電は〇〇デンキ、家具はニトリなどです。

消費者の多様な価値観にGMSは対応出来ないのです。

さらにAmazonなどの電子商取引が台頭しています。

消費者が商品(モノやサービス)を手に入れようする場として、GMSが支持・利用されるには、これまでのGMSの形では厳しく、変化が必要であるのです。

色々な商業の盛衰は、時代時代の社会を反映したものでしょう。

百貨店の閉店の記事と同様にGMSという総合スーパー業態が今の社会で多くの支持を得られなくなっているのですね。

 

イオンとのちがい

イオンは、カード事業とデベロッパー事業が現在の収益の柱になっています。

イオンのリアル店舗が無いとイオンのクレジットカードを消費者は利用しないですよね。

デベロッパー事業も多くの人が来てくれるショッピングセンターなどの施設を作らないと収益は生まれません。

つまり、イオンは収益の柱を維持するためにショッピングセンターや総合スーパーなどを魅力的なものとしていかなくてはならないのです。

 

一方、セブン&アイは、国内2万店を超えるコンビニエンスストアセブンイレブンとそこにあるATMによる収益が柱です。

イオンと同じ金融事業からの収益と言っても、クレジットカードで儲けているイオンと銀行のキャッシュカードの利用において稼いでいるセブン&アイとでは大きな違いです。

セブン&アイは2万店を超えるコンビニの存在が、銀行カードの利用を便利なものとしています。

この金融事業(銀行キャッシュカード)とコンビニの複合で利益を出しているのです。

だから、GMSからの撤退も不思議ではないとの結論に至っていました。

 

自慢話ですが、

 

でも、これは以前からある程度予想されていたことです。少なくとも商業に関係する人のなかでは。

自慢話となってしまいますが、2020年に出版した本のなかでイトーヨーカドーの全面撤退の可能性を書きました。

リアル店舗 生き残りの「答え」 コロナ・Eコマース時代の商業のあり方(2020年)
商業の「これまで」と「これから」(2023年)

 

そこらへんは、youtubeでも詳しく話していますので、お暇でしたらどうぞ。

昨年の桜が咲く頃の動画です。


www.youtube.com


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今日は、コンサルという私の本業から自慢話となってしまいました。

 

ついでに本の宣伝も!

 

 

 

2024年2月23日