昭和の頃、待合せの場所の定番だった、スタジオアルタが来年2月で営業を終了するそうです。
ところで、建物の老朽化が原因なのでしょうか?
そうだとすると、将来を見据えた計画が建築時にできていなかったということになります。
しかし、老朽化が大きな要因ではないとすると、何が考えられるのでしょうか。
新宿の街は、商業施設や働く場が集積しています。
新宿駅は、1日当たり、340万人の乗降客数(世界一の数)を誇る駅と言われています。
これは新宿という街に来る理由があるからです。
働くとか買い物とか映画、飲み会などの目的が無くなったら、この乗降客数も少なくなります。
対して、六本木、品川、大崎、虎ノ門など都内に多くの街が平成期に開発されてきました。
新宿も魅力ある街にするために色々な取組みをしてきました。
しかし、新宿の地位というか価値が相対的に低下しているのではありませんか。
またリアルな街に対して、利用者の時間の獲得としての競合ではインターネット上の空間が大きな存在となっています。
昨年の23区内の商業地の公示価格で2地点だけが上昇していませんでした。
新聞では23区内すべてで商業地の価格が上昇と報じられていました。
しかしこれは区の平均でよく調べてみたら、
千代田区丸の内2-4-1と新宿区西新宿2-6-1
の2地点だけは前年と同じ価格でした。
東京駅の駅前の有名なビルと西新宿の高層オフィスビルです。
何か象徴的な感じがしました。
働く場の多様化などもあり、オフィスの西新宿はこれまでと同じは厳しいのではと思いました。
私はスタジオアルタという一つの館だけの問題では無いと思います。
新宿という街の、エリアの課題ではないのでしょうか。
街の魅力があるからこそ、広い範囲から多くの人が街を訪れるのです。
そして多くの人が訪れるから、ニッチな店なども成立して、ますます面白い街になっていくのだと思います。
以前新宿のある商業エリアの方と活性化の話をしました。
その時にそのエリアの代表の方が「転んでも新宿ですから」と言われました。
残念で将来は大丈夫かなと思いました。
ちなみに新宿区は平成期を通して人口が減少していた記憶があります。
これから新宿はどのように変わっていくのでしょう。