今回は、一等三角点。
東京23区に3つあるうちの一つ、上沼部。
東京都水道局の玉川浄水場の敷地内にある。
とは言っても、敷地の端にあるから、見えるはず。
確率は高い、そう思って現地を訪れた。
自由が丘の南側、環八に面している玉川浄水場の敷地の角を曲がる。
しまった! この植栽は何だ!
敷地の内部を隠すように密集した植栽で囲まれている。
まさかの状況に不安がよぎる。
日を改めて、敷地に入る交渉をしなくてはいけないか、などと思いつつ。
基準点成果等閲覧サービスの地図と睨めっこしながら、左手の民家の建物の位置から三角点の位置を探すこと数分。
あった!!
敷地の端にある、柵の隙間から、かつ、植栽と植栽のわずかな間から見えた。
ちゃんと柱石と保護石が確認出来る。
ズームで何枚も何枚も撮影して、やっと1枚、「一等」という文字を確認することの出来る写真を撮ることが出来た。
柱石の上部ははっきりと撮ることは叶わなかったが。
これで、23区内にある三つの一等三角点でアフガニスタン大使館内にある「東京(大正)」を除き制覇。(2箇所巡って制覇は言い過ぎかな。)
さて、何でここに作った?
ちなみに、この三角点も台地の上にある。
すぐ南側が崖となっている。
これは、国分寺崖線の一番の端にあたるところである。
国分寺崖線!!
国分寺崖線とは、武蔵野台地を古い時代の多摩川が削り取ってできた、河岸段丘の連なりである。
武蔵野台地を削りとり、削られた面と台地の急な高低差が崖地となる。
その崖地が連なっているのが崖線として面白い地形を形作っている。
国分寺崖線と言われるこの連続する崖地は、立川から始まる。
国分寺を通り、深大寺、つつじヶ丘、成城学園、瀬田、二子玉川、そしてここを抜けて、田園調布の南で多摩川にぶつかって終わる。
30kmの長さとなる。
二子玉川も、国道246号が急な下り坂の下にある。
また、瀬田、岡本あたりの急坂は、車で下る時はジェットコースターに乗ってるくらいの急な下りである。
(喜多見から成城学園の崖線を望む)
途中、崖線の下を野川が流れる。
野川から成城学園方面を見上げると、はっきりと高低差を感じられる。
私たちが想いも寄らない遥か彼方の昔に、台地と川が作った造形。
その上に、私たちの生活の営みが行われている。
このWebページで使用している地図は、国土地理院の地理空間情報ライブラリーからの地理院地図を加工したものであ。なお、以下の承認も受けている。
一等三角点 上沼部 (世田谷区田園調布1-19、東京都水道局玉川浄水場敷地内)
訪問日:2019年5月19日(日)
どくしゃ