新宿の旧赤線・青線の名残り?【その1】

東京・新宿、特に歌舞伎町と言うと、性風俗や暴力のイメージが付きまといますね。

でもそんな事は無いですよ!

特別な飲みや遊び方をしているなら本当に安全で楽しい街です。

 

新宿ゴールデン街はコロナ前は訪日外国人で溢れかえってました。

東京の観光名所になっていたのですね。

その新宿ゴールデン街、戦後の新宿駅東口の駅前の闇市が移転させられて出来たことは有名ですよね。

それと旧青線エリアだったことも。

 

でも新宿区は新宿に赤線や青線があったことを広めようとはしていません。

冒頭に書いた、性風俗と暴力のイメージが強調されることを嫌っているのでしょう。

繰り返します、新宿は楽しく安全な街です!

 

みなさん、赤線や青線って聞いたことあると思います。

その名残りを探して探検?してみました。

 

内藤新宿

 

ご存知のとおり新宿は江戸時代の四宿の一つです。

下の地図の青く塗ったエリアが宿場だったエリアです。

そして、ちょうど今の伊勢丹の角で甲州街道と青梅街道に分岐していました。

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この宿場町、一時期廃止されたりしたようですが、今の新宿の中心部からはちょっと外れとなっていますね。

新宿駅が新宿の外れの野っ原に作られて、野っ原だった方が中心になるって歴史は面白いですね。

 

赤線、青線って?

戦後色々な経緯があったようですが、地域限定で特殊飲食店の許可を警察が出していました。

その限定されたエリアを営業許可地域として地図上に赤線で囲ったことが「赤線」の語源とされているようです。

ちなみに、赤線エリアの外周部に特殊飲食店の許可を得ないで営業を行っていた店舗が発生したそうです。

そのエリアを「赤線」に対して「青線」と呼ぶようになったようです。

ですから「赤線」と違って、「青線」はここからここまでと言うような具体の地図上への落とし込みはされていなかったようです。

 

名残りを探してみた

 日本各地に作られた赤線。

新宿では何処が赤線エリアだったのでしょう?

 下のの地図は新宿三丁目駅辺りです。

 青い丸で示したのが末広亭です。

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落語の寄席ですね。 

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この辺りを歩くと奇妙な区画があります。

下の写真は上の地図上で「新宿三丁目駅」と書かれた「目」と「駅」の文字のところです。

大きな道路を作ったために昔の道路が少し残ってしまったようです。

小さな敷地にペンシルビルが建っているのが何か社会に対する反抗のようですね。

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 こちらの写真は上の写真の道路の反対側になります。

ここも小さな路地が残っていました。

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ここの付近が赤線の境界と関係あるのかなと考えながら写真を撮った次第です。

 

蛇足ですが、下の航空写真地図で青い線で描いた路面電車の引込線は、ゴールデン街の脇の緑道に現在なっています。

また、路面電車の車庫は伊勢丹の敷地の一部になっています。

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三橋順子さま著『新宿「性なる街」の歴史地理』

 

『新宿「性なる街」の歴史地理』(朝日新聞出版、2018年10月)と言う本があります。

新宿 「性なる街」の歴史地理 (朝日選書)

新宿 「性なる街」の歴史地理 (朝日選書)

  • 作者:三橋順子
  • 発売日: 2018/10/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

なかなか面白く勉強になる本ですよ。

新宿だけでなく、色々な遊郭や赤線街を地方まで真面目に調べてあります。

風俗学や社会学としても貴重な本だと思います。

その中で赤線エリアだったところ(想定)が示されています。

それが下の図です。

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この赤線エリアを現在の地図に落とすとこんな感じです。

オカシイと思いませんか?

江戸時代の宿場町と違うのです!

それも街道筋から一筋後ろになっていますね。

新宿の赤線エリアは街道筋から奥まったところにあるのです。隠した?

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境界を探してみた

ちょっと注目して欲しいところがあります。

上の地図を一部拡大しました。

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上の地図の青い線のところが境界になります。(すいません、赤い線で描けばよかった)

その境界が今でも敷地境界として残っていました。

下の写真で道路に面したところではなく裏側が一直線になっているのが見えると思います。

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こちらの写真もです。

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この隙間が赤線エリアの境だったのでしょう。
今でも名残り的なものが残っているのですね。

 

遊郭や赤線エリアで働いて方がどのような思いでいたかを私は知りません。

単なる興味本意は不謹慎だとお叱りを受けるかも知れません。

でも、遊郭や赤線があったという歴史は忘れていけないと思うのです。

決して歴史上から消して見ないようにするのはいけないと思います。

 

ということで最後までお付き合い頂きありがとうございました。

 

このWebページで使用している地図は、国土地理院地理空間情報ライブラリーからの地理院地図を加工したものである。なお、以下の承認も受けている。

この地図は国土地理院長の承認を得て、同院発行の地理院タイル(数値地図2500(土地条件))、地理院タイル(数値地図5000(土地利用))及び地理院タイル(土地利用図)を複製したものである。(承認番号 令元情複、第197号)


写真撮影日:2021年5月9日(日)

 

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