武蔵野台地の北端、二等三角点 「赤羽」

東京23区内には、二等三角点は8箇所である。

そのうちの一つ、「赤羽」。それは赤羽台東小学校の敷地内にある。

祝日ということもあり、敷地には入れないだろうと思いながらのトライであった。

国土地理院の基準点成果等閲覧サービスの地図を見て、「敷地境界の路上から見ることができるのでは」、と淡い期待もあった。

しかし、三角点があると思われる場所すら路上から見ることは出来ない。

小学校の敷地は、線路沿いの道路から擁壁の上の高台にある。10m以上はある擁壁の上である。

田端でも書いたが、上野駅から赤羽駅までは京浜東北線は崖地に沿って走っている。

北の端の赤羽駅も東口は低く、西側は台地となっている。東口の駅前広場の標高は5m程だが、東側の台地は20mと相当な高さの崖地を形作っている。

住居表示が赤羽台となっているのが腑に落ちる。

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国土地理院地理空間情報ライブラリーからの地理院地図を加工

この地図は国土地理院長の承認を得て、同院発行の地理院タイル(数値地図2500(土地条件))、地理院タイル(数値地図5000(土地利用))及び地理院タイル(土地利用図)を複製したものである。(承認番号 令元情複、第197号)

 

この地図は国土地理院長の承認を得て、同院発行の地理院タイル(数値地図2500(土地条件))、地理院タイル(数値地図5000(土地利用))及び地理院タイル(土地利用図)を複製したものである。(承認番号 令元情複、第197号)

 

それではということで敷地の反対側、台地に登り学校の正門の方に廻る。

 

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すると「赤羽台東小学校は閉校しました」との周知表示板。


周りのUR賃貸住宅も建て替え予定なのか、住民もおらず、閉鎖されている。

小学校と横の公団住宅、道路を隔てた向かいの公団住宅、総てが閉ざされた空間となっていた。5月の強い陽の光の中、地球上の人間が忽然と総て消えたような異様な錯覚にとられた。


すると、老夫婦が坂を登って私の方へ向かって来た。

私が見ていた「閉校」の文字を見て、「こんな都会のところの小学校も閉校になるんだ」とおじいさんがつぶやいていた。

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そのあと、小学校に上がる前くらいの年頃の女の子が母親と一緒にやって来た。私と同様に門が閉まった小学校の敷地を眺めていた。
地図をよく見ると、閉校した赤羽台小学校は、赤羽台つぼみ保育園として使われているようである。校舎の前には、2台のマイクロバスが駐車していた。閉校後の小学校の校舎を利用して保育園が作られているのかも知れない。

自宅に帰り、地図を見て見ると、三角点の標高は30.3mとある。小学校の校庭の標高は19.9m。三角点は、校舎の屋上がどこかに設置されているのかも知れない。

敷地の外の道路から見ることは、最初から難しかったということか。

北区役所に行き、敷地内への立ち入り、そして三角点の撮影を今後実現したいという思いが強まった。

二等三角点「赤羽」
(北区赤羽台1丁目1−13 )
訪問日:2019/05/03(金)祝日