水質ワースト1だった綾瀬川沿いの二等三角点 「花又」

今回は、二等三角点「花又」。

 

足立区ほど平坦な区は無い。

坂が無い。

坂があるとしたら、川を渡る橋を通るための上り下りだけである。

 

f:id:BullBull-Musao:20190521132904j:image

国土地理院地理空間情報ライブラリーからの地理院地図を加工。なお、以下の承認も受けている。

f:id:BullBull-Musao:20190609095437j:plain

 

平坦ということは、水の流れがゆっくりということ。

山からの水を集めて、勢いよく川の水が流れている姿は想像出来ない。

 

 二等三角点「花又」は、足立区の花畑小学校の敷地の中にある。

 

この花畑小学校は、綾瀬川のすぐ近くにある。

綾瀬川に架かる橋を登り下りする坂?の手前にある。

 

国が一級河川の水質検査を毎年実施している。

 

綾瀬川は、1980年から15年間連続してワースト1の「汚い」川だった。

(なお、国土交通省は、2011年度頃からBOD値による河川の水質判断だけでなく、多様な判断データから河川のランク分けを行い、水質の悪い川ランキング的なものは作っていない。詳しくは、国土交通省のHPで。) 

 

そこで国土交通省は、綾瀬川の浄化に取り組みはじめる。

 

その方法は、何と、新しく造る地下鉄の空間を利用するものだった。

埼玉高速鉄道が走るトンネルの下部を使うのである。

 

東京メトロ南北線が、「赤羽岩渕駅」から埼玉高速鉄道となる。

「赤羽岩渕駅」から荒川の下を通り(鉄道で唯一荒川をトンネルで横断して)、「川口元郷駅」に行く。

荒川から取水した水(3㎥/s)を川口元郷駅から線路の下に設けた導水管で終点の「浦和美園駅」の先で、綾瀬川に放流する。

途中、2つの川にも分流している。

 

水量を増やして、綾瀬川を浄化しようという策である。

水は再び荒川に流れつくのだが、浄化という仕事を一つこなすこととなる。

 

実際、効果はあるみたいで、水質(BOD値)は非常に良くなっている。様々な取組みの結果かな。

 

f:id:BullBull-Musao:20190521000308j:image

国土交通省 荒川下流河川事務所「荒川放水路変遷誌」より

 

 

www.s-rail.co.jp

埼玉高速鉄道のHP資料

 

 

綾瀬川の水質が悪い時代、嫌な臭いも小学校まで漂ってきていたのかも知れない。

私が訪問したときは、特に臭いとは思うこと無く、気持ちよく、観察することができた。 

 

f:id:BullBull-Musao:20190513210844j:image

 (写真右上の高速道路の下が綾瀬川

 

小学校の正門を入った右手にあり、時計塔と一緒に円形の花壇の中にある。

 

f:id:BullBull-Musao:20190513211016j:image
f:id:BullBull-Musao:20190513211009j:image

 

花壇の花がちょうど咲きほこっていた。

 

石柱を守るための保全としてのエリアが作られ、その後、そこに花が植えられてのではないかと想像を膨らませた。

 

f:id:BullBull-Musao:20190513211141j:image

花壇の中にある三角点を見ると、小学生たちに大切にされているんだろうと感じた。

 

f:id:BullBull-Musao:20190513211229j:image

 

祝日で、校庭にも、道路にも人はいない。ゆっくりと撮影が出来た。

道路から撮影することが可能である。

  

二等三角点  「花又」

(足立区南花畑3丁目22 花畑小学校 敷地内)
訪問日:2019/05/03(金)祝日